平成28年に税法が改正され、医療費控除の特例として、スイッチOTC薬控除がつくられました。
スイッチOTC薬を購入した費用のうち、1年で1万2000円を超える部分について、最大8万8000円を所得から控除することができます。
この記事では、
- スイッチOTC薬の種類
- スイッチOTC薬の控除額
- スイッチOTC薬控除を受ける条件
- スイッチOTC薬控除はいつから?
- スイッチOTC薬控除の確定申告に必要な書類
について解説します。
スイッチOTC薬の種類
スイッチOTC医薬とは、これまでは病院でしか処方されなかった薬を、一般の薬局でも市販薬として購入できるようにしたものです。
OTCは「Over The Counter」の略で、街でカウンター越しに売られている薬、つまり市販薬のことです。
医療用から市販薬(OTC)にスイッチされた薬ということで、「スイッチOTC薬」と呼ばれます。
スイッチOTC薬は風邪薬から湿布薬まで1500品目以上!
スイッチOTC薬の対象は、風邪薬から胃腸薬、水虫の薬、肩こりや関節痛の湿布薬、リップクリームまで幅広く、対象となる商品は1500品目以上あります。
自分が購入した薬がスイッチOTC薬かどうかは、厚生労働省が公表している「スイッチOTC医薬品有効成分リスト 」で確認することができます。
スイッチOTC薬の一例
スイッチOTC薬から、代表的なものをピックアップしてみました。どれもドラッグストアで買うことができる医薬品です。
- アレジオン(エスエス製薬株式会社)
- イブ(エスエス製薬株式会社)
- エスタック(エスエス製薬株式会社)
- メンターム(株式会社近江兄弟社)
- ガスター10(第一三共ヘルスケア株式会社)
- コルゲンコーワ(興和株式会社)
- ジキニン(全薬工業株式会社)
- ストナ(佐藤製薬株式会社)
- ダマリン(大正製薬株式会社)
- ナロンエース(大正製薬株式会社)
- ノーシン(株式会社アラクス)
- バファリンEX(ライオン株式会社)
- パブロン(大正製薬株式会社)
- バンテリン(興和株式会社)
- フェイタス(久光製薬株式会社)
- ブテナロック(久光製薬株式会社)
- ベンザブロック(武田薬品工業株式会社)
- メンソレータム(ロート製薬株式会社)
- ロキソニン(第一三共ヘルスケア株式会社)
スイッチOTC薬の控除額
スイッチOTC薬控除の控除額は、1年の購入費用のうち、1万2000円を超えた部分です。最大控除額は8万8000円です。
例えば、スイッチOTC薬の購入費用が5万円の場合、5万円 – 1万2000円で3万8000円を所得から控除することができます。
スイッチOTC薬控除を受ける条件
スイッチOTC薬控除を受けるためには、健康維持や病気予防に取り組んでいる必要があります。具体的には、健康診断や予防接種を受けていることが適用条件です。
医療費控除との併用は不可
スイッチOTC薬控除は医療費控除と併用することはできません。どちらかを選択する必要があります。
医療費控除は、10万円を超えた部分について適用されるので、医療費が少額の場合は、スイッチOTC薬控除を選択した方がお得です。
スイッチOTC薬控除はいつから?
スイッチOTC薬控除は平成28年の改正で誕生した制度で、平成29年(2017年)1月1日からスタートします。
1月1日から12月31日までの1年間で購入したスイッチOTC薬の費用が対象になります。
スイッチOTC薬控除の確定申告に必要な書類
スイッチOTC薬控除の確定申告には、スイッチOTC薬を購入した際のレシートを添付する必要があります。
1枚のレシートで、一部の項目のみが対象となる場合は、分かるようにメモを書き込んでおきましょう。