事業開始時の預金や売掛金の仕訳処理
年の途中で事業をはじめた場合でも、事業収入は年初の分から申告してOK
青色申告の対象となる期間は1月1日~12月31日です。企業のように、3月決算や9月決算といった考え方はありません。
このとき悩ましいのが開業日の考え方です。
切りよく1月1日を開業日に設定した方はシンプルですが、多くの個人事業主は開業日が年の途中になると思います。
事業からの収入が発生するのが開業日以降ならば、記帳は開業日から開始すればOKです。
問題は、開業日以前にも収入があるケースです。
ネット上には、「開業日以前に収入があっても、開業したのは開業日なのだから、記帳は開業日以降じゃなきゃダメ!」という意見も見かけますが、これは間違っています。
念のため、税務署にも確認しましたが、「開業日が8月1日の場合でも、その事業に関する収入がそれ以前にもあるならば、1月1日から記帳をスタートしてください」とのことでした。
副業でほそぼそとやっていて、軌道に乗ったから開業しよう!という場合は、その年の1月分(その事業からの収入がある月)から記帳して申請します。
開業届に記載した開業日は、確定申告の際はあまり重要視されません。
「開業日以前の収入は雑所得として、開業日以降の収入は事業所得として提出したけど問題なかったよ!」という方も居ますが、税務署も受領の際にそこまで細かくチェックしませんし、これでも問題ないと言えば問題ないと思うので、特に指摘されること無くそのまま通っているのだと思います。
いずれにしても、正しいのは、開業日に関わらず、その年の1月分(その事業からの収入がある月)から記帳することです。
「開業日以前の経費が、領収書を捨ててしまったので分からない。」という場合、その経費は申請せず、収入のみを申請すれば大丈夫です。税務署からしてみれば、経費が無い分には、納税額が増えるだけなので何も問題ありません。
事業開始時の資金は元入金で処理
複式簿記で、まず最初に行うのは事業開始時の資金を記帳することです。
事業開始時の資金は、「元入金」として仕訳します。
事業用に用意した銀行口座に残高がある場合は、このようになります。
日付 | 借方 | 貸方 | 摘要 |
---|---|---|---|
1/1 | 普通預金 1,000円 | 元入金 1,000円 | (前期繰越)普通預金 |
事業開始時に売掛金がある場合は元入金で処理
事業開始時に既に売掛金がある場合も、「元入金」で処理します。
例えば、事業開始前年の12月分の売上が1月に入金予定の場合、1月1日時点で既に売掛金が存在することになります。
日付 | 借方 | 貸方 | 摘要 |
---|---|---|---|
1/1 | 売掛金 1,000円 | 元入金 1,000円 | (前期繰越)売上(12月分) |