確定申告書「特定口座年間取引報告書の内容」の入力方法

確定申告書「特定口座年間取引報告書の内容」の入力方法
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確定申告書における「特定口座年間取引報告書の内容」の入力方法を紹介します。

特定口座で上場株式のみを売買をしたケースを想定しています。

特定口座年間取引報告書の内容の入力方法

所得の種類から「株式等の譲渡所得等」、「上場株式等に係る配当所得等」、「配当所得」を選び、「特定口座年間取引報告書の内容」の入力画面に進みます。

特定口座年間取引報告書の内容

証券会社から発行される「特定口座年間取引報告書」に基づいて入力していきます。事前に証券会社から「特定口座年間取引報告書」を入手しておきましょう。確定申告の時期になると自動的に郵送されてくる証券会社もありますが、ネット証券会社は管理画面から自分でダウンロードする必要があることが多いです。

1.口座情報の入力

口座情報を入力します。

口座情報の入力

「口座の種類」は、特定口座年間取引報告書で源泉徴収が「有」になっていれば「源泉徴収口座」を選択します。

「勘定の種類」は、特定口座年間取引報告書を参考にチェックをつけます。

「この源泉徴収口座について申告するものを選択してください。」は、株式の売買があれば「譲渡損益」、配当があれば「配当等」にチェックをつけます。

特定口座年間取引報告書

↓特定口座年間取引報告書の内容に基づいて入力します。

2.「譲渡に係る年間取引損益及び源泉徴収税額等」の入力

「譲渡に係る年間取引損益及び源泉徴収税額等」を入力します。

「譲渡に係る年間取引損益及び源泉徴収税額等」の入力

特定口座年間取引報告書の内容に基づいて、「源泉徴収税額(所得税)」、「株式等譲渡所得割額(住民税)」、「 譲渡の対価の額(収入金額)」、「取得費及び譲渡に要した費用の額等」、「差引金額(譲渡所得等の金額)(①-②)」を入力していきます。基本的には特定口座年間取引報告書の内容をそのまま写します。

特定口座年間取引報告書

↓特定口座年間取引報告書の内容に基づいて入力します。

3.「配当等の額及び源泉徴収税額等」の入力

「配当等の額及び源泉徴収税額等」を入力します。

「配当等の額及び源泉徴収税額等」の入力

特定口座年間取引報告書の内容に基づいて、「④株式・出資又は基金」、「⑤特定株式投資信託」、「⑥投資信託又は特定受益証券発行信託(⑤、⑦及び⑧以外)」、「⑦オープン型証券投資信託」、「⑧国外株式又は国外投資信託等」、「⑩公社債」、「⑪社債的受益権」、「⑫投資信託又は特定受益証券発行信託(⑬及び⑭以外)」、「⑬オープン型証券投資信託」、「⑭国外公社債等又は国外投資信託等」、を入力していきます。基本的には特定口座年間取引報告書の内容をそのまま写します。

特定口座年間取引報告書

↓特定口座年間取引報告書の内容に基づいて入力します。

4.「金融商品取引業者等」の入力

「金融商品取引業者等」を入力します。

4.「金融商品取引業者等」の入力
特定口座年間取引報告書

↓特定口座年間取引報告書の内容に基づいて入力します。

5.「特定口座年間取引報告書に記載されたもの以外の費用」の入力

「特定口座年間取引報告書に記載されたもの以外の費用」を入力します。

「特定口座年間取引報告書に記載されたもの以外の費用」の入力

「特定口座年間取引報告書に記載されたもの以外の費用」には、株式売買を委託した場合に支払う固定報酬や成功報酬が該当します。個人が普通に証券会社を通して売買をしている限りでは、通常は空欄になります。

特定口座の申告に際し費用を追加計上できる場合

特定口座での株式売買に関し、特定口座での譲渡損益計算上考慮されていない費用の支払いがある場合には、特定口座での譲渡損益を申告することを前提として、確定申告で費用計上することができます。
このような費用としては、例えば、株式売買を内容とする投資一任契約に基づいて支払う固定報酬及び成功報酬(ただし、支払いの効果が年をまたぐなどの場合は、個々の契約内容に基づいて、費用計上の時期を判断する必要があります。)が考えられます。

国税庁『確定申告書等作成コーナーよくある質問』より

株式投資においては、株式関連の書籍の購入費用やセミナー費用、取引で使うために購入したパソコンの費用、通信費や細かい文具代などは、どれも必要経費としては認められません。

勘違いして、株式関連の書籍の購入費用を記入しないように注意しましょう。

2箇所以上の証券会社の口座で取引をしている場合

2箇所以上の証券会社の口座で取引をしている場合、「もう1件入力する」から続けて他の証券会社の特定口座年間取引報告書の内容を入力していきます。

2箇所以上の証券会社の口座で取引をしている場合

入力結果一覧

入力が完了したら「入力終了(次へ)」で先に進みます。

入力結果一覧

配当所得の課税方法の選択

配当所得の課税方法を選択します。

配当所得の課税方法の選択

「総合課税を選択する(配当控除を受ける方はこちら)。」と、「申告分離課税を選択する(上場株式等に係る譲渡損失との損益通算や繰越控除をする方はこちら)。」の2種類があります。選択したら「入力終了(次へ)」で完了です。

配当の総合課税と申告分離課税の違い

配当の総合課税の特徴

  • 配当控除を受けることができ、配当を含めた課税所得が695万円以下の人は、配当の税率が下がります。(参考
  • 税率は15%~55%の累進課税(所得が多いほど、税率も高くなる)が適用されるので、配当を含めた課税所得が695万円以上の人は損をします。
  • 株や投資信託などの譲渡損失(売却してでた損失)との損益通算ができません。

配当の総合課税を選ぶと得をする人

  • 株やETF、株式投信による売却損がない人
  • 配当を含めた課税所得が695万円以下の人

配当の申告分離課税の特徴

  • 株や投資信託などの譲渡損失(売却してでた損失)との損益通算ができます。
  • 税率は一律20%が適用されます。

配当の申告分離課税を選ぶと得をする人

  • 株やETF、株式投信による売却損がある人
  • 配当を含めた課税所得が695万円以上の人

総合課税と申告分離課税の選択・変更(参考

  • 特定口座(源泉徴収あり)の場合は確定申告するかどうかを口座ごとに選択できます。
  • 総合課税と申告分離課税は口座ごとには選択できせん。(一部を総合課税、残りを申告分離課税として申告するような選択は不可)
  • 総合課税と申告分離課税は毎年変更できます。